不動産投資に少し興味を抱いていても、本当のところ、どんなデメリットやリスクがあるのかがよく分からなくて怖いという人も多いのではないでしょうか?
私も初めての物件購入を検討していた2013年頃は、デメリットやリスクについて懸命に情報収集していました。
そこで、「9棟・261室+戸建て2戸」の専業大家になった今、改めて、不動産投資のデメリット・リスクについて分かりやすく整理してみました。
重要なのは、確かに不動産投資にはデメリットやリスクがありますが、それらはすべて、あなたがコントロールできるという点です。
これを読めば、あなたも、不動産投資のデメリットやリスクについてしっかりと理解したうえで、それらを「コントロールする術(すべ)」がお分かりになると思います。
目 次
| 不動産投資のデメリット・リスク | リスクへの対応策 |
| 1.初期費用が必要 | ・少なくとも500万円程度の預貯金を貯めてからスタートするのが一般的 |
| 2.物件取得までにかなり時間と労力を要する | ・「物件探し」:数に当りまくる(量の勝負) ・「融資付け」:針の穴に糸を通す感じ(質が勝負) |
| 3.空室時の収入減 | ・空室リスクは、物件購入前であれば、十分に回避できる |
| 4.購入後に物件の「瑕疵」が明らかになることがある | ・「建物状況調査(インスペクション)」を実施する ・「瑕疵担保責任の免責」は拒否する |
| 5.借入の際に、金融期間から「個人保証」を取られる | ・「団体信用生命保険(団信)」に入る |
| 6.流動性が低い | ・流動性の低さは気にする必要はない |
| 7.自然災害の可能性 | ・あなたのために働いてくれる、保険金請求力の強い代理店を選ぶ |
| 8.金利上昇の可能性 | ・できるだけ多く、かつ長く借り入れる。手元資金で繰り上げ返済 |
不動産投資のデメリット・リスクとその対応策

1.初期費用が必要
不動産投資の初期費用はコチラの記事に書いているとおりですが、一般的にいって、少なくとも「諸費用」分の500万円程度は必要です。
預貯金が1500万円とか2000万円ある人からすると大きな出費には思われないかもしれませんが、預貯金が少ない人には手も足も出ない金額であることは事実です。
ちなみに、諸費用とは、文字どおり、収益物件を購入する際に必要となる諸経費のことで、具体的には、次のような費用項目が含まれます。
・不動産仲介手数料
・登録免許税
・印紙税
・不動産取得税
・司法書士報酬
・ローン事務手数料
・団体信用生命保険料
・火災・地震のための損害保険料
ただし、、、
ただしですよ。。。
500万円の預貯金がない人は「不動産投資は全く無理」というわけではありません。
少し時間はかかりますが、方法はありますので心配はご無用です(^^)
2.物件取得までにかなり時間と労力を要する

まずは何といっても「NG物件」を買ってしまわないための「正しい学習」が絶対的に不可欠です。ここに労力と時間を惜しんでは、あとで大変な目にあいます。
正しい学習というと、本を何冊も読んで、、、というイメージを持たれる方も多いとは思いますが、さにあらず!
豊富な実績と経験を兼ね備えた実践者から、再現性のある手法を「習う」のです。
「習い」ながら、並行して自分で「本」を読んで学び、理論や具体的手法を体にしみ込ませていくような方法がベターです。
いわゆる「泥縄(どろなわ)式」の勉強方法です。
本で読んだ知識だけではうわっすべりして使い物になりませんが、実践的に習いながら読んだ本の知識は、あなたの血肉になります。
こんなご経験、あなたもおありですよね。。。
「習って」、「学ぶ」分野は、当然ながら「物件探し」と「融資付け」です。
同時並行的に進めていくのですが、大変さの中身が両者では全く異なります。
・「融資付け」・・・金融機関の融資審査基準を、とにかく学んで学んで、あとは針の穴に糸を通す感じ(質が勝負)
といった感じでしょうか。
物件探しについては、習熟してくれば、物件資料をわずか「3秒」見ただけで、真剣に検討する物件か否かが分かるようになりますよ(^^)
3.空室時の収入減

空室とは、賃貸用の部屋に入居者がいない状態です。空室は「不動産投資の最大のリスク」と言われています。
引用元:健美家「第7回不動産投資に関する意識調査」
なぜなら、空室が増えたり空室期間が長く続いたりすると家賃収入が減ってしまうからです。
具体的に言えば、不動産投資は家賃収入からローンの返済を行うため、家賃収入が減ってしまうと収支が赤字になってしまい、給与収入や預貯金等から不動産投資の赤字分を補填しなければいけない状況になります。
もちろん、入居者さまのご都合(転勤や結婚など)による短期的な空室は、どの収益物件にもあります。
問題なのは、空室率(全居室数に占める空室の割合)が高くなっていったり、その空室が長期間にわたる場合です。
これでは、何のために不動産投資を始めたのかわかりません。
で、これを避ける方法は、たったひとつ。
「空室が出ても、すぐに次の入居者さまが決まる物件」を買うことです。
つまりこのデメリット・リスクは、収益物件を買う前でしか回避することができません。
そんなの当たり前だろ、、、と言われそうですが、これを意識せずに業者(不動産売買仲介業者)の言われるがままに「空室リスクの高い物件」をまんまと買わされている人が多いのです。
あなたがやるべきことはただひとつ。
購入検討段階で「入居需要調査」を正しく行うことです。これに尽きます。
逆に、これさえ正しく行っておけば、あなたは「空室リスク」など全く怖くありません。
詳しくはコチラの記事をお読みください。
4.購入後に物件の「瑕疵」が明らかになることがある

瑕疵(かし)とは、「欠陥」を意味します。不動産投資における瑕疵とは、収益物件の欠陥のことです。
これが、購入後に見つかることがまれにあり、そうなると物件の売主と買主との間で大きなトラブルになる可能性があります。
なぜなら、大きな欠陥の場合、修繕費用が多額になり、最悪の場合、買主であるあなたが、その全額を負担することになる可能性もあるからです。
瑕疵(欠陥)の実例としては、次のようなものがあります。
・雨漏りがする
・シロアリ被害がある
・土壌汚染がある
・給排水管の故障
・居住するのに支障がでるほどの損傷がある
そして、こうした瑕疵について、売主が負う責任のことを「瑕疵担保責任」(契約不適合責任)といいます。
少し話が難しくなるかもしれませんが、今は軽く読み流すくらいでよいので、知っておいてくださいね。
(※瑕疵担保責任は2020年4月の民法改正で「契約不適合責任」と名称が変わりましたが、この記事では、従来からなじみのある「瑕疵担保責任」と記載します。)
瑕疵担保責任の期間は、売主・買主合意のもとで決められますが、一般的には3ヵ月から1年程度です。
仮に、あなたが中古の1棟マンションを購入し、その瑕疵担保責任中に、たとえば「購入前は気づかなかった外壁のヒビ割れによる雨漏り」が発見された場合、売主は外壁補修をし雨漏りを修繕しなければなりません。
しかし、往々にして起こるのが、瑕疵担保責任の期間を過ぎてから、給排水設備の故障や、雨漏りがするといった瑕疵(欠陥)が見つかるケースです。
宅建業者が専門家による建物状況調査(インスペクション)の活用を促し、建物状況調査の普及を図る
引用元:「改正宅地建物取引業法の施行について」(国土交通省)
こととなりました。
が、あくまでも建物状況調査(インスペクション)の「斡旋の義務化」であって、「実施の義務化」ではありません。
これが日本の不動産取引にまだ不透明さが残る部分だと私は思っています。
日本ではようやく「斡旋の義務化」です。。。(^^;)
なので、あなたは収益物件の購入前に、必ず「建物状況調査(インスペクション)」を実施するようにしてください。
加えて、売主から「瑕疵担保責任の免責」を提案されても、絶対に拒否してください。
「瑕疵担保責任の免責」とは、売主が瑕疵担保責任を全く負わないという特約です。
これは買主であるあなたのリスクが大きくなる特約ですから、しっかりと断り、3ヵ月から1年程度を目安に希望の期間を伝えてください。
・「瑕疵担保責任の免責」は拒否する
5.借入の際に、金融期間から「個人保証」を取られる

日本の場合、収益物件を購入する際、金融機関は収益物件を担保にするだけではなく、借り手の個人財産までも差し押さえる権利を持つことができます。
こうした金融機関の行為を「個人保証」を取るといい、また、こうしたローンのことを「リコースローン」といいます。
たとえば、会社員のAさんが業者の言われるがままに5000万円の収益物件を購入したとします。しかし、案の定、空室率が高止まりし、ローンの返済を何回か滞納してしまいました。
融資をした金融機関はただちにその収益物件を差し押さえ、競売(けいばい)にかけ4500万円で売却しました。
しかし差額がまだ500万円あります。その500万円はAさん名義の給料や銀行口座から法的手段を使って差し押さえることができるのです。
一見、怖ろしい話ですが、リコースローンにもメリットはあります。
つまり、リコースローンは貸し手の金融機関に対して大きな保証を与えるため、かなり低い金利でローンを組むことができます
支払いさえ滞ることがなければ借り手にとっても大変魅力のあるローンなのです。
ちなみに、金融機関が個人保証を取らないローンのことを「ノンリコースローン」といいます。
前述のAさんの場合でいえば、収益物件を手放しても残った差額500万円を、Aさんは支払う必要がありません。金融機関はこの500万円を損失として引き受ける必要があります。
しかしながらノンリコースローンはリコースローンにくらべて審査基準が厳しく、金利もずっと高くなるというデメリットがあります。
米国不動産投資などは、このノンリコースローンが適用されるケースが多いです。
さて、話を「個人保証」を取られるリコースローンに戻しますが、これは、結論から申し上げますと、あなたは心配する必要はありません。
なぜなら、初心者のあなたには、上記で申し上げた「団体信用生命保険(団信)」に入るからです。
団信に入れば、あなたは個人保証を取られることはありません。
6.流動性が低い

不動産は、貴金属といった他の実物資産や、株式などの金融資産にくらべて「流動性」が低いです。
つまり、あなたが売りたいときにすぐ売れないという性質をもっています。
公益社団法人東日本不動産流通機構による調査では、首都圏における成約までの日数は中古マンションが88.3日、中古戸建てが111.3日とどちらも3ヶ月前後である結果が出ています。
引用元:公益社団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2020年)」
あくまでも平均であるため、もっと早く売れる物件もあれば3ヵ月経過しても売れない物件もあります。
いずれにせよ不動産売却は買主を見つけるまでに時間がかかり、すぐには売れないことを認識しておきましょう。
さらには市況の悪化や、金融機関による融資の引き締めといった外部環境によっても売れやすさは変わってしまいます。
しかしながら、あなたが目指すのは、収益物件の長期保有により「長期の安定的な副収入を得る」ことが目的ですから、この流動性の低さはあまり気にする必要はありません。
ただ、私の場合、物件の入れ替えも行っていますので、年に1回、保有物件を査定に出して、「今、この物件を売りに出したら、いったいいくらで売れるのか」を知るようにはしています。
そのためにも、信頼できる不動産会社(不動産売買仲介会社)と良好なパートナー関係を築いておくことを重視しています。
7.自然災害の可能性

日本は災害の多い国であり、地震や台風、水害など多くの天災リスクがあります。
特に最近の異常気象により大規模水害が多発しており、また今後来ると言われる首都直下型地震や南海トラフ地震などの大規模災害による備えも必要です。
なので、不動産投資においては火災保険の加入は必須です。
火災保険には、火災・落雷風災などの主契約と、地震・水災・盗難などの特約があります。
と、ここまでは、どのサイトや本にも書いてありますよね。。。
ですが、私が強調したいのは、火災保険に入る際の「保険代理店」選びが極めて重要という点です。
なぜなら、損害保険会社もいろいろありますが(東京海上日動、損保ジャパン、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保などなど)、商品内容(補償内容)に大きな違いはなく、しかも共通しているのは「あまり保険金を出したくない」という本音があるからです(^^;)
つまり、どの保険会社を選ぶか、ではなく、どの「保険代理店」から火災保険に入るかの方がはるかに重要なのです。
具体的に申し上げます。
保険代理店を選ぶポイントは次の2つです。
1.あなたの味方になってくれる保険代理店であること
保険代理店には、大きく3パターンあります。
(1)保険会社のために働く代理店
あなたの大事な物件よりも「保険会社」のためになるべく保険金を出さないで済むように動きます
(2)あなたのために働く代理店
あなたとあなたの物件のために、もし事故があったら何とか保険金を出そうとするように動きます
(3)特に何も考えていない代理店
不動産会社(売買仲介会社、賃貸仲介会社)などが片手間にやっており、保険商品もついでに売っています
もちろん、あなたが選ばねばならないのは「(2)あなたのために働く代理店」ですよね。
2.保険金請求力の強い代理店
いくら、あなたのために働く代理店であっても、肝心の保険金請求力、請求ノウハウにすぐれていないと、実際に破損事故などがあったときにスムーズに保険金はおりませんよね。
・そうすれば、あなたの収益物件にどれくらいの補償が必要で、どんな特約をつければよいかもキチンと提案してくれる
8.金利上昇の可能性

金利が上がるときは、一般的には好景気で「インフレーション(インフレ)」のときですから、家賃収入も上がります。
実際、2022年6月現在、世界中でインフレが起こっていますが、米国では都市部の家賃は1年前の1.5倍は当たり前。2倍になっている物件もあるくらいです。
ここで問題なのは、家賃収入の増加を伴わない「金利だけの上昇」が起きるケースです。
この場合、金利が上昇することで利息が増え、家賃収入だけではローン返済が困難になる状況が起こります。
キャッシュフロー(CF)が悪化すると、その穴埋め資金が必要となり、会社員・公務員の不動産投資家にとっては大きなダメージとなります。
一般的には、自己資金の額を増やすこと(自己資本比率の上昇)や固定金利を選択することで、こうしたリスクを回避していきますが、金利選択においては固定金利を選択できる金融機関は少ないため現実的とはいえません。
なので、2022年6月現在、超低金利時代だからこそできる、以下の3つの方法で金利上昇リスクに備えた方が建設的です。
1.「5年ルール、1.25倍ルール」のある金融機関を選ぶ
5年ルール、1.25倍ルール(125%ルール)とは変動金利を選択する場合に適用されるルールです。
5年ルールとは、返済額の見直しは5年ごとに行うというルールで、急に金利が変動しても5年間は返済額が変わらない、というものです。
これで急な金利変動が起こっても、毎月のキャッシュフロー(CF)に影響はありません。
1.25倍ルール(125%ルール)とは、5年ごとの見直しで返済額が上昇する場合でも、前回の返済額の1.25倍(125%)までに抑えられる、というものです。
こちらもキャッシュフロー(CF)への影響をある程度は抑えることができます。
今後、もし急激な金利上昇起こった場合には、このルールで守られている間に、繰り上げ返済や売却などを検討することが必要です。
2.可能な限り借入れて手元に資金を残す
低金利時代であれば、金利上昇時への備えとして、借りられるだけのお金を借り、資金は手元に残した方が得策です。
不動産投資では、“キャッシュ イズ キング”という言葉があります。
消費のための借入は絶対にNGですが、消費の借入と不動産投資の借入は別モノです。
なぜなら、不動産投資は「金の卵を産むニワトリ」を買うものだからです。
とにかく、手元に資金を多く残しておくことで選択肢が増え、金利変動に限らず様々なリスクに対処することも可能になります。
3.返済期間は長く設定する
金利よりもキャッシュフロー(CF)への影響が大きいのは「返済期間」です。
返済期間はなるべく長くとり、毎月の返済額を抑えるようにしてください。
返済期間が長いと毎月の返済額は低くなり、返済期間が短いと毎月の返済額が多くなります。
返済期間は後から短くすることもできるので、超低金利時代ではできるだけ長く設定した方がキャッシュフロー(CF)が増え、運用中の選択肢が増えます。
4.金利が上昇そうになったら繰り上げ返済
もし金利が上昇し、キャッシュフロー(CF)が圧迫されることが予見されれば、手元に残しておいた資金を使って繰り上げ返済をします。
借入金額をできる限り多く、かつ返済期間をできる限り長く設定し、手元に資金を残しておくことの一番のメリットは、問題が生じた際にすぐに対処できる点です。
最初に借りられるだけ多く、長く借り、後で繰り上げ返済するということは容易にできます。
なお、繰り上げ返済の際には、返済期間短縮ではなく、返済額軽減を選びましょう。
こちらの方が、金利上昇により毎月の返済額が上がってしまった場合のキャッシュフロー(CF)対策には向いています。
不動産投資のデメリットやリスクは徹底してコントロールする

不動産投資のデメリット・リスクとそのコントロール手法、ご理解いただけたでしょうか?
ポイントは不動産投資にデメリットやリスクがあることではありません。
考えてもみてください。
わたしたち人間の日々の生活、行動にはすべてメリットがあり、その裏でデメリットやリスクがあります。
デメリットやリスクがあることが怖いのではありません。
デメリットやリスクが見えないことそのものがリスクであり、怖いのです。
リスクをしっかり認識し、あなた自身がそれをコントロールできれば、もはやそれはリスクではないのです。
不動産投資でも全く同じです。
どうかデメリットやリスクをきちんと認識し、それをコントロールする術(すべ)をしっかり習得してください。
そして、不動産投資のメリットを存分に味わってください(^^)
※不動産投資のメリットについては、コチラの記事をお読みください。


